文部科学省委託事業:平成26年度
成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進

メイクアップ分野における中核的専門人材養成のためのプログラム開発と実証
(メイクアップ アドバンス プロジェクト)
●●●●●プロジェクト詳細●●●●●
●メイクアップ アドバンス プロジェクト 詳細・事業計画書
  • ・メイクアップ アドバンス プロジェクトは文部科学省委託事業(平成26年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業)に採択されたものです。
    この事業では産学官連携によるコンソーシアムとその下で行う職域プロジェクトが行われます。
    メイクアップ アドバンス プロジェクトは職域プロジェクトとして「 メイクアップ分野における中核的専門人材養成のためのプログラム開発と実証」を行います。
  • ●事業計画書:事業名称等

    ・文部科学省委託事業
     平成26年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業
    ・採択事業の区別:
     分野名:クリエイティブ(美容)
     プロジェクトの区別:職域プロジェクト(1)全国的なモデルカリキュラム等の開発・実証
     「女性の学び直し」に対応:対応する
    ・採択事業名称:
     メイクアップ分野における中核的専門人材養成のためのプログラム開発と実証
     (略称:メイクアップ アドバンス プロジェクト・新技術の導入と応用)
    ・事業期間:平成26年7月1日より平成27年2月28日

    ●事業計画書:構成機関、参加校・企業・団体

    ●事業計画書:プロジェクト取組概略図

    プロジェクト取組概略図

    ●事業計画書:事業の目的・概要、実施体制、フローチャート、

    (1)事業の目的・概要
     社会の高度化に伴い美容の分業化(ヘアー、メイクアップ、ネイル、エステ等)が進展し、より高度な人材養成が必要とされてきている。特に、美容師免許を必要とするヘアーとメイクアップは、制度的に膠着しているため、新r理論・新技術への対応が遅れている。本プロジェクトは美容の主要分野であるメイクアップに関する新旧理論・技術の融合および新分野への対応を促進し、グローバルに通用する中核的人材養成のためのプログラム開発と実証を行う。
    プロジェクト取組概略図
    プロジェクトフローチャート

    ●事業計画書:事業の実施意義や必要性

    (2)事業の実施意義や必要性について
    ① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義
    1.美容分野の多様化と拡大によるメイクアップ分野の現状
     広義の美容の範囲は、ヘアー、メイクアップ、ネイル、エステティック、トータルビューティ、ブライダル、着付けなどを含み、それらは専門的に分業化が進むとともに、それぞれ理論と技術が高度化してきている。美容学校における教育は、近年これらの専門化・高度化に対応するため、美容科を除き、美容師免許を取得しない様々な専門学科が創設されてきた。ネイル、エステ、着付けなどは美容師免許がなくても施術することが認められているが、メイクアップは美容師の専属的職業範囲(美容師法2条:但しメイクアップアーティストは作品制作の一環としてメイクアップを行うため例外と解釈されている。美容部員の施術も化粧品販売の一環としてメイクするものとして例外として解されている。)とされ、美容師免許なくしては、施術することができない(この点では、国家資格としての美容師の職種の範囲はヘアーとメイクアップとなる)。しかし、現行の美容師国家試験において課されているのはヘアーに関する理論と技術試験のみであり、メイクアップの理論や技術試験は実施されていない。そのため、多くの美容学校では、ヘアーを中心とした教育に重点が置かれ、メイクアップに関しては一部で選択的に採用されているに過ぎない。したがって、多くの学校はヘアー中心のカリキュラムで運営され、メイクアップの理論と技術を修得できるところは非常に少ない現状にある。
    2.美容師教育の現状とメイク教授陣の不足
     現状の日本の美容師(注:美容全般ではなく国家資格保持者としての美容師)の教育は、ヘアーに関して十分対応できているが、メイクアップに関しては全く対応できていない。昨今、新理論と新技術のひとつである、まつ毛エクステンションにおいて、健康被害が多発したことが頻繁に報道されている。まつ毛エクステンションは美容師の職種(厚労省見解)とされるが、美容学校ではほとんど教授されていないため、実社会では美容師免許を持たない海外で履修した者や独学で修得した者が施術するために、多くの健康被害が多発し、取り締まりが強化された。メイクアップに関しても同様であり、法律上、職業としてのメイクアップは美容師が担う必要がある(美容師法2条)以上、美容師教育の一環として、最先端のメイクアップ理論と技術の導入と安心・安全の確保への対応がなされなければならない。現状では、メイク科、トータルビューティ科、ブライダル科などを修了しても、美容師免許がないため施術職に就くことができず、再度、通信制などを利用して美容師免許を取得するものが多い。このように、美容師教育におけるメイクアップはその制度により膠着状態にあり、制度的な膠着を打開するために、美容師免許の取得を行ったうえで、メイクアップの履修を行う学校も増加している。アーティスト系のメイク科においても、通信制を利用した美容師免許の取得を推奨している。このように、美容師教育ではメイクアップの新理論と新技術(エアーブラシメイクアップや特殊メイク)の導入は遅れている。メイクアップの新理論や新技術は現役アーティスト等の外部講師によって担われており、慢性的な教員不足にある。
    3.メイクアップ分野の拡大と需要への対応の遅れ
     前述した背景のなかで、実社会の美容現場では、メイクアップ理論と技術はアート系のメイクアップアーティストらによって最先端理論と技術が導入され、メイク業界をリードし、新理論と新技術が業界や一般消費者に広まってきている。特に、ブライダルおよびカバーメイクなどでは新理論と新技術なくしては現代のニーズに見合う十分な施術を提供することができない。メイクアップアーティストレベルにおいては、単にビューティだけでなく、作品制作おいて必要とされるアグリーメイクや簡単な造形を含むFX(特殊)メイクまでを仕事の範疇としている。このように、美容師の職業と認識されているメイクアップにおいて、実社会においては、その多くが”十分なメイクアップ理論と技術を持っていない美容師”によってメイクアップが担当されている現状にある。
    4.デジタル理論と技術の限界とメイクアップへの回帰
     映像のデジタル技術の発展に伴い、求められるメイクアップの技法や材料も著しく変化している。特に、映像のHD(ハイデフ)化には従来のメイクアップ理論と技術では対応できず、より繊細なメイクが要求されている。当初、デジタル技術の発展は、フィジカル(バーチャルの反対語)なメイクアップに代替し、CG(コンピュータグラフィックス)やバーチャル技法によって映像の創作や修正が簡単にできるとされたが、実際にはCGやバーチャル技法のコストパフォーマンスは高く、また、リアリティ表現の限界が露呈した。メイクアップの新理論と新技術の導入はこのような要求に対応することができ、コストパフォーマンスも良いことが証明された。最近では、ICT技術の発達が、映像を静止画より動画へ移行させ、光学技術の発達(4Kカメラなど)はよりHD化を促し、より繊細なメイクアップを要求する。そのため、ズームに映え、動きに強いメイクアップやリアリティのあるメイクアップが要求されているが、このような要請に対応するためには、最先端の新材料や新素材、新理論と新技術の導入によるメイクアップによって対応する必要がある。デジタル技術での創作・修正の限界とデジタル技術の発展による映像のHD化はメイクアップ理論と技術の向上と伴に、メイクアップへの回帰を促し、メイクアップへの期待は高まっている。メイクアップ分野での新理論と新技術の導入と応用はデジタル技術と共に必要不可欠であり、両者が相まって、よりリアリティのあるものや高度な表現が完成する。最近の映像は”実写+CG加工”によって、よりリアリティある映像を作り出しており、コストパフォーマンスの良さも証明されている。
    5.他分野からのメイクアップへの期待
     新理論と新技術によるメイクアップの質的向上は、思いもよらない分野からの要請を受けている。特に新理論と新技術であるエアーブラシメイクは、きめの細かさや衛生上の理由により美容だけでなく、カバーメイクなどコメディカルな分野やフューネラル分野からの要請も多い。さらに、簡単なFX(特殊)メイクは、補綴やエピテーゼの装着などにも応用されている。ヘアーカラーリングや服飾と融合したボディペインティングを含むメイクアップなどが模索されている。このように、実需分野やより芸術性の高いクリエイティブ分野でのメイクアップ理論と技術の利用が行われてきており、メイクアップ理論と技術の体系化が望まれている。
    6、安全・安心の担保
    美容師の教育現場はヘアー中心であり、メイク等の新理論と新技術の導入がなく、美容学校におけるメイクアップに関する授業は選択的に行われているに過ぎない。また、技術論が中心であり、安心・安全の担保のための教育プログラムは存在しない。グローバル経済の進展の中、メイクアップ材料の輸入も拡大し、外国製品の使用に対して、理論と技術修得だけでなく、国家資格所持者としての責任において、施術者による安全・安心の担保のための薬事的評価方法の修得プログラムが必要である。アメリカではアーティストレベルにおいて、使用製品のMSDS(製品安全データシート)の理解のうえでの使用と使用に際しMSDSの所持が当然とされている。グローバルな薬事規制の趨勢は、法律による使用禁止成分を最低限とし、その他成分に関しては企業の自己責任において配合することとする方向であるため、商品の使用に際し、美容師やアーティストを問わず、施術者責任において安心・安全の担保をしなければグローバル化に対応することはできない。
    6.本プロジェクト実施の意義
     上記のような背景の中で、安心・安全を担保したうえで、メイクアップの新理論と新技術を使いこなし、また、教授できる中核的専門人材の養成プログラムの開発が喫緊の課題である。本メイクアップアドバンスプロジェクトは、新メイクアップ理論と新技術と従来理論と技術との融合を行い、それらをプログラム化し実証し、実践と応用のできる教授陣、社会人を早急に養成することを目的とする。具体的には、メイクアップの2大方法論であるハンドアプライとエアーブラシメイク(平成22年度の産学連携による実践型人材育成事業-専門人材の基盤的教育推進プログラム-において、新理論と新技術のエアーブラシメイクアップは、「エアーブラシメイクアップの有用性の実証と方法論の確立と人材育成プログラムの開発」として採択され、育成プログラム開発・実践を行った。)は既に確立されているため、それらを融合した新理論と新技術を実践、応用する人材養成プログラムを開発し、実証し、全国的な標準モデルカリキュラムとする。
    メイクアップの中核的専門人材養成に必要な新理論と新技術は美容系だけでなくアーティスト系のメイクアップとの統合よって完成するものであり、本プロジェクトの内容はこのようないろいろな分野から構成される。
     また、実社会においては、すでに新理論と新技術を必要とする需要(カバーメイクやハロウィンメイク等)が顕在化しており、早期に対応することが必要であり、本プロジェクトで開発されたプログラムは他の分野に応用することができ、短期間の内に、即戦力となる人材をも養成する。
    美容分野を担う者の多くは女性であり、結婚、出産等でキャリアを中断するものが多い、他方でメイクアップ理論と技術の進展は早く、復帰時には新理論と新技術の使用なくしては現場に復帰できない状況にある。本プロジェクトはメイクアップのアドバンス理論と技術をまとめるものであり、キャリアを中断した者は基礎的理論や基礎的技術は修得しており、本プログラムによりステップアップをしながら最先端理論と技術を修得することができ、学び直しに貢献する。
    メイクアップが美容師の専属的職種と法律的に規定されている以上、美容師免許を持つものが施術しなければならない。しかし、美容師教育ではヘアー重視のカリキュラム編成により、ほとんどメイクアップを修得することができない。特にアドバンスのカリキュラムを手掛けるところは数校にすぎない。本プロジェクトは、美容師免許を持ち、メイクアップ分野に興味のある者にとって唯一のアドバンスプログラム修得の場となる。また、アーティスト系の者にとっても、日本において最先端のメイクアップ理論と技術修得の場となる。
    日本では制度的・法的規制の中でメイクアップの自由度は低い。しかし、グローバル化の進展の中では、制度的膠着の解消(法律改正等)を待って対応すれば、グローバル経済の中で日本のメイクアップは後進国となる。本プロジェクトの目指す、安全・安心を担保した、メイクアップ理論と技術の確立とそのプログラム化は、喫緊の課題である。

    ②取組が求められている状況、本事業により推進する必要性
    1.メイクアップアドバンスの教員の不足の解消と養成プログラムの必要
     メイクアップはアート系メイクアップアーティストを最先端とし、そのメイクアップ理論と技術が一般に普及してきている。実際に映画、ドラマ、舞台などのメイクアップは新理論と新技術の使用なくしては対応できない状況にある。多くのトップアーティストはアメリカやヨーロッパで最新理論と新技術を修得している。日本では、新理論と新技術の認知さえしていない者も多い。このようにメイクアップ分野をリードする理論と技術は日本では修得することができず、多くの人材が海外において修得している。法律上では美容師免許をもたないメイクアップアーティストはサロンで施術することができない以上、美容師がこれらのことを担う義務がある。現況の日本におけるメイクアップ理論と技術はハンドアプライを中心とするものであり、新理論と新技術を導入しているところは十数校にすぎず、専任教師(外部講師以外)を置くところは数校に過ぎない。喫緊の教員養成のプログラムが必要である。
    2.メイクアップ教育の実需への対応の必要:新理論と新技術の早期導入の必要
     一般のメイクアップ市場においては、すでに新理論と新技術を必要とする商品が多く販売されている。これらの商品はメイクアップアーティストらによって導入され一般化してきたものである。例えば、個人用のエアーブラシメイク機器や新型のスポンジ、まつ毛エクステンションなどである。また、他分野からのメイクアップへの要請は多く、コメディカル分野における痣消し・タトゥカバーなどのカバーメイク、エピテーゼや補綴の装着や製作などに応用するFX(特殊)メイク、福祉美容におけるヘアーカラーリング、ブライダルメイクにおけるファンタジーフェアーメイク、映像舞台でのステージメイクやアグリーメイク、ヒューネラルでの死化粧などがある。すでにこのような需要は顕在化しており、施術者不足である。早期の対応が必要である。
    3.安全・安心の担保の必要
    美容分野での新理論と新技術の導入は必要不可欠であるが、最も注意すべき点は、お客様への安全・安心である。本プロジェクトの対象とする美容のメイクアップ分野は、広義に捉え、ビューティだけでなく、アーティスト志向も含むものと考えるが、美容師法と現実のミスマッチによる健康被害やアングラ営業を鑑みると、安全・安心を踏まえた統合された新旧理論と技術のプログラム化による人材養成によって早急に安全・安心が担保されなければならない。
    4.グローバル人材養成への対応の必要
     TPP交渉参加は関税だけでなく、非関税障壁の交渉問題に発展することは必至である。美容分野では薬事法における成分規制と美容師法における職業範囲が問題視されている。
    薬事法的観点からすれば、顔料や防腐剤の規制が非関税障壁となり海外製品の安全・安心を担保するが、世界標準の規制は、日本にとっては緩和方向となり、法的規制より企業の自己責任制度に重点が移るであろう。その結果、多くの海外製品の流入が安易となり、安全・安心の確保ができなくなる。海外製品を使用する際に施術側が安全・安心の確保を担う必要があり、そのための施術者の薬事的知識が要求される。
    美容師法の観点からすれば、美容師法は公衆衛生の確保を目的とするが、TPP交渉では、サービス業である美容業は、弁護士や医師、看護師のように海外の免許取得者の就業流入を迫られることが予想される。各国の美容師資格の法制度はまちまちであり、資格を必要としない国や届出制の国もある。このような中で、国際標準に照らした美容師制度の検討が国家レベルでは必要であるが、この本質は安全・安心の担保にある。本プロジェクトの目指す、安全・安心を担保した理論と技術志向は法的枠組みを超え世界標準となりえる。具体的には、本プロジェクトの薬事検討における「MSDS(製品安全データシート)による安全性のチェックのプログラム化」は、難解な薬事的効能の評価を現業部門において簡易的に評価することができるプログラムの開発であり、グローバルの環境の中でも信頼を確保することができる。
    5.職域プロジェクトとしての必要性
     平成24年度の美容コンソーシアムで示されたキャリアフレームワークにおける、メイクのスペシャリストとしての職務レベル3相当の中核的専門人材に必要な理論と技術・知識を補完するものであり、日本において、他にこのようなプログラムは存在しない。
    6.本プロジェクトの必要性
     本プロジェクトはメイク教員や最先端の現役アーティストが多く参加しているために、新理論と新技術と従来理論と技術との早急な融合や体系化を行うことができ、早急なプログラム化を行うことができる。戦略的にメイクアップ分野の中核的専門人材養成を行うには、メイクアップ分野の理念の確立が必要である。メイクアップを美容におけるビューティーメイクだけでなく、実需分野やアーティストレベルの関連分野を含めたメイクアップ理論と技術を必要とする広義の分野として捉え対応することが必要である。単なる施術のための理論と技術だけでなく、公衆衛生や薬事的安全・安心の担保、さらにはメイクアップの心理作用や保健衛生までを含め、社会的に貢献する必要がある。本プロジェクトはこのようにメイクアップ分野の位置づけをし、美容コンソーシアムの下で構成されている。
    美容分野からのアドバンスレベルの構築に対する要請やコメディカルや福祉美容、ヒューネラル等の他分野からのメイクアップ理論と技術の応用要請は、学際的な知識を持つメイクアップ分野の中核的専門人材によって担われなければならない。
    グローバルな人材養成においては、理論と技術的には、ハンドアプライからエアーブラシメイクへの移行の趨勢の中で、新理論と新技術の導入のない日本からのグローバルに活躍できる人材を輩出することはできない。本プロジェクトは各国法的枠組みを超えグローバルに通じる、量的だけでなく質的に、さらに安全・安心の担保含め戦略的に中核的専門人材を養成し確保することを目的とする。
    このような目的達成のために本プロジェクトでは以下のことを重点に行う。
    ・アドバンスプログラムの開発
    ・アドバンスプログラムの実証
    ・安心安全の担保のためのプログラム開発と実証
    ・達成度評価手法の検討
    ・情報発信
    本プロジェクトではアドバンスレベルの通常カリキュラムへの導入を目指すが、教授することのできる中核的専門人材を養成するために、また、前回の22年プロジェクトの参加者より、新理論と新技術の基礎的理論や理論と技術は修得したが、さらなるレベルアップのためのアドバンスコースの体系化(本プロジェクトのアドバンスプログラム)が要望されているため、まず、メイク教員や現役の社会人美容師およびアーティストに対し、開発した効率的なアドバンスプログラムの集中運用を行い、アドバンスプログラムを実証する。達成度評価手法については、従来のハンドアプライメイクの達成度評価手法がまちまちであるため、基本的共通項の確認等を行い、達成度評価手法の構築の検討を行う。より高レベルの達成度評価手法は検定制度やステップアップのために必要不可欠であり、本年度は方向づけに留まるが、体系的な構築は次年度以降の課題である。

    ③取組実施にあたっての平成25年度までに実施された職域プロジェクト等の成果の活用方針、方法等
     本プロジェクトは、平成24年度の美容コンソーシアムの提言における、キャリアフレームワークのメイク分野におけるキャリア基準③における理論と技術レベルを補完するものである。
    本プロジェクトの前身は、平成22年度の「産学連携による実践型人材育成事業-専門人材の基盤的教育推進プログラム」において、「エアーブラシメイクアップの有用性の実証と方法論の確立と人材育成プログラムの開発」として採択され、育成プログラム開発・実践を行った。具体的には、エアーブラシメイクアップの周知及び評価と専門学校の教員を対象とし、教授陣を育成する運用講義を行った。平成23年度も運用講義を行った。その結果、すでに十数校の専門学校が、カリキュラムとして導入している。しかしながら、まだ多くの学校が教授陣の不足を理由にカリキュラムとして導入できないでいる。     実際に、多くの専門学校はメイクアップの新理論と技術の重要性を認識しているために、最低限でも生徒へ知識普及が必要との観点より、新理論と新技術修得はできなくとも、新理論と新技術紹介や情報発信としてのデモンストレーションなどの授業は単発的に取り入れられ、メイクアップアーティストや外部講師によって行われているものは30校を超える。また、選択科目として社会人向けに開講されているものもある。
    平成22年度に開発された新理論と新技術の導入カリキュラムは基盤的教育推進プログラムであるが、基礎講座ではなくアドバンスコースとして運用されており、3年次、4年次での開講が多い。本プロジェクトのアドバンスとするものは、技術だけでなく、理論も含め、その応用分野も含むものであり、理論と技術面でのメイクアップ分野の体系的な修得を目指すものである。したがって、中核的専門人材に必須の理論と技術理論の体系化を目指すものである。
    平成26年度基本方針で示された、職域プロジェクトに照らすと、平成22年度に開発された新理論と新技術の導入カリキュラムは全国的な標準モデルとして活用されているが、そのさらなる普及が必要である。また、本プロジェクトでのアドバンスコースの開発・実証によって、中核的専門人材の養成を行う必要がある。
     本アドバンスプロジェクトでは、具体的な実需に対応した応用演習を取り入れ実証するために、産業界から多くの参加希望表明がある。

    ●事業計画書:前年度までの取組概要・成果と本事業との継続性

    (3)前年度までの取組概要・成果と本事業との継続性
    本メイクアップ アドバンス プロジェクトは平成26年度より始まるために前年度までとの継続性はない。
    しかしながら、平成22年文部科学省委託事業 「産学連携による実践型人材育成事業 -専門人材の基盤的教育推進プログラム-」において採択された、「エアーブラシメイクアップの有用性の実証と方法論の確立と人材育成プログラムの開発( 略称:エアーブラシメイクアップ プロジェクト)」をベーシックレベルとし、メイクアップ アドバンス プロジェクトは、エアーブラシメイクアッププロジェクトを発展させたものです。

    ●事業計画書:事業の成果目標

    (4)事業の成果目標

    ○期待される活動指標(アウトプット)
    ①メイクアップアドバンス(中核的専門人材養成)プログラム開発
    ・従来の技法と新理論と新技術の融合や新素材や新材料の使用は委員会校の教員らによってある程度個別に理論化されている。プロジェクト開始後2ケ月内にそれらをまとめアドバンスコースへとプログラム化する。新理論と新技術と従来技法の融合は、新理論や新技術への偏見をなくし、真に必要なメイクアップ技法となる。前回プロジェクトでは、新理論と新技術が従来技法を排他、駆逐すると考える専門職も多く、従来技法の否定と捉え素直に新理論と新技術に対応できない専門職も多く見受けられた。しかし、新理論と新技術がすべてにおいて優れているものではなく、両者の融合によってより高度なメイクアップが完成するのであるから、本プロジェクトでは両者の融合理論を提唱し新理論と新技術の導入を促進する。平成22度策定カリキュラム導入校では、生徒の作品制作の質的向上が見られ、新技術の導入による制作意欲の向上は顕著である。また、就職においても、新技術保有者として、配属先が多様化し拡大している。アドバンス理論および技法の確立によって、実需対応が即時になされ、即戦力として期待できる。特に、メイク学科やトータルビューティ学科がブライダル学科に移行する中で、ブライダル系やカバーメイク系においては、新理論と新技術の導入は必須とされ、本プロジェクトの寄与は高い。また、より高度なメイクアップアーティストを目指すものにとっては、メイクアップとしてビューティだけでなくアグリーメイクを修得することが必要であり、本アドバンスプログラムはこれらをも網羅する。技術修得の達成度の評価手法を開発する。
    ・内容的には、新理論と新技術の技法の修得を中心として、ビューティ、カバー、ブライダル、舞台映像、特殊、アグリー、福祉美容、死化粧等の実需分野への応用使用を演習課題とする。演習内容は日程調整によって選択となる場合がある。
    ・テキスト製作を行う。重要な論点や理論や技法を体系的にまとめることによって、理解度が高まり修得しやすくなる。理論面においては、メイクアップにおける科学的視覚理論やFXメイクにおける経時的変化を理解し、技術的には一連の作業工程を体系的に把握することができ、作業の効率化となる。テキストの写真などにより実際の作業を見ることができ、理解度が高まる。プログラム履修者が自校において開講するにあたり、体系的に編集されたテキストとして使用できる。日程の都合で履修できない者もテキストブックによって学習することができる。
    ②メイクアップ施術者による安全。安心の担保
    ・使用材料の安全性の分析
    ・安全性チェックシートの開発:顔料、防腐剤、エモリエント剤、被膜形成剤等の機能別に応じた安全性チェックシートの開発。美容業界のグローバル化は、新技術の導入と使用製品の多様化および品質の多様化を促すが、他方において、安全・安心は法的規制より企業責任制度に重点が置かれ、特に海外製品が国内市場に供給される場合に、製品の安全・安心の担保は、海外企業だけでなく、施術者自らが担保しなければならない。TPP参加やFTAなどによって海外製品の流入が増す中で、本プロジェクトで開発するチェックシートでの安全確認は必須である。 
    ・チェックシートの使用方法の修得を実証講座の中で行う。
    ③メイクアップアドバンスプログラムの実証(実証講座の実施)
    ・実証講座:中核的専門人材を担うべきメイク教員や現役美容師やアーティストを対象としたメイクアップアドバンスプログラムの実証のための講座を行う。具体的には新理論と新技術の修得を中心とし、実需分野への応用基礎演習を適時導入する。本格的な応用演習は来季となる。各実需分野の需要やニーズが把握でき、職域の拡大、学び直し、即戦力の養成に有効に作用するものとなる。開発した技術修得の達成度評価手法により評価を行い、自己のレベルの認識をさせステップアップさせる。
    6クール(1クール:6日間x8時間)開催する。
    東京5クール、大阪または関西地区1クールを開催する。
    関西地区での開催は応募状況を勘案して決定する。
    日程配分や調整を行い、できるだけ参加しやすくする。具体的には、1クールは1ケ月ごとにステップアップ講義を行い、半年間に渡り6回行う。東京地区においては5クールが並行して行われる。月に5回の同一ステップ講義を行い、各自都合に合わせ日程を選択できるようにし、日程調整できるようにする。前回プロジェクトの講座は日程が固定化されていたために、日程の都合で参加できなかった学校教員が多くいた。今回、東京地区はフレキシブルに調整できるため、相当数の参加が予想される。今回の実証講座を一部企業や現役美容師やアーティストにも開放する(既に要望がある)と相当数の参加が予想される。
    次回のステップアップ講義までに課題(作品制作や練習)を与え、最後に、制作作品評価を行う。十分な時間を持った課題制作等により理論と技術修得の度合いが高められる。そのため、社会人は、修了後は中核的専門人材として即戦力として期待できる。特にエアーブラシメイクの応用においては、各メーカーが独自に商品を開発中のために、本プロジェクトに対する意識は高い。
    ・達成度評価手法の開発
    本プロジェクトではアドバンスとしての新理論と新技術の達成度評価手法を検討するが、従来技法のハンドアプライの達成度評価手法がまちまちであり、統一されていない現状を鑑みると、体系的にステップアップするには、さまざまな従来技法の達成度評価方法の共通項の検討も必要となる。コンソーシアムや中核的専門人材養成においては、段階的なステップアップやキャリア形成を行うためには、体系的な達成度評価手法が必要であり、メイクアップ分野としての統一的な見解を検討を行う。検定制度や段位制度の構築は次年度での課題であるが、本プロジェクトは共通項の認識を行う。
    ・外国人招聘公開講座
    最先端技術をもつアーティストは海外で活躍するものがほとんどである。日本人でも海外を拠点としている。外国人(日本および海外で活躍する日本人を含む)講師を招聘し公開講座を行う。最新技術の実演を通じ国際レベルを認知し、また海外のバックステージ事情の聞き取りを行い参考にする。2名~3名の予定。
    ・アンケート調査:実証講座受講者に対し、メイクアップアドバンスプログラムの評価のためのアンケート調査を行う。
    ・プログラムの修正:実証講義を通じたアンケートにより分析し、本プログラムの修正を行い全国的な標準モデルカリキュラムの作成を行う。
    ④ホームページによる情報発信
    ・ホームページの作成。プロジェクトの進捗や成果をホームページより発信する。
    ・メイクアップアドバンスプログラムの周知と導入を支援。

    ○期待される成果実績(アウトカム)
    ①メイクアップアドバンスプログラム開発
    ・テキストブックの製作と公開:新旧理論と新旧技術を融合させた理論と技術的方法論およびその応用論のテキストブックの作成によって実証講座に参加できない学校・企業等に配布し、体系的な履修が可能。
    テキストブック:1000冊を300ヶ所に配布。1ケ所あたり複数の教員や担当者が必要とするために3冊までとする。複数名の担当者の存在は、担当者の負担を軽くし、またお互いに情報交換することによってより高度に理解し、運営することができる。
    ・実証講座の履修内容が体系的にまとめられるために、より理解度が上がる。
    ・体系的にまとめられたテキストは異業種でのメイクアップ理論と技術の拡大を促す。
    ②メイクアップ施術者による安全。安心の担保
    ・安全性チェックシートにより施術側によって安全・安心が担保され健康被害を予防できる。
    ・安全性チェックシートにより中核的専門人材に必要な薬事的知識が修得できる。
    ③メイクアップアドバンスプログラムの実証(実証講座の開催)
    ・アドバンスコースの対象とする分野は、美容系だけでなく、コメディカルやアート系等の関連分野を含み、より多くの受講者層を対象とする。
    ・実証講座(メイク教員、社会人美容師、アーティスト向け)の開催:前回(22年度は集中講義とした)は美容系を中心とした参加募集を行い、前回参加校は64校に上る。今回は、美容系だけでなくアート系、コメディカル系等学校の参加も多く予想される。欧米の化粧品メーカーは新技術用の機械や材料をすでに一般市場向けに発売しているが、日本の大手化粧品メーカーも試作段階を経て、市場投入への最終段階にあり、企業からの参加要請も多く予想される。東京集中での開催となるため、参加校は50校程度。複数名の受講希望がある。企業からの参加希望も多い。学校関係70名、企業・社会人関係30名、計100名程度を想定している。
    ・中核的専門人材に必要な理論と技術を持った即戦力の養成。企業においては、実需の顕在化の認識が高く、人材不足による機会ロスが指摘されている。本実証講座を経た企業担当者や美容師は即戦力となる。
    ・実証講座を経て、自校に持ち帰り、開講することができるため、継続的なメイクアッププログラムの実施が行われる。
    ・自校での開講・導入により生徒の作品制作の質的向上やモチベーションの向上が見られる。
    ・実践的に講座運用を行うために、新理論と新技術の必要性や異業種から要請の対応が認められ、メイクアップ分野が拡大する。
    ・安全・安心を担保した本プログラムは、制度的規制を超え、グローバル人材に必要な理論と技術を提供し、グローバル人材を養成する。
    ・達成度評価手法の検討は、まちまちである統一的見解をまとめ、検定制度や段位制度の構築に貢献する。
    ④ホームページによる情報発信
    ・ホームページでの本プロジェクト成果や進捗を情報発信するにより、メイクアップ分野の理論・技術の周知と普及となる。
    ・テキスト、分析結果、報告書等をデジタルコンテンツとして配布するためにより多くのものに、安価に配信することができる。


    ●事業計画書:事業の実施内容

    (5)事業の実施内容

    ① 会議(目的、体制、開催回数等)
    ・プロジェクト運営会議
    目的   : プロジェクトの運営。メイクアップアドバンスプログラムの開発・実証のための各委員会の調整。各部会の進捗具合のチェック。ホームページの運営。達成度評価手法の開発の全体調整。実証のための講義の日程計画作成、調整、募集等。テキスト編集。
    体制   : 代表校および運営委員、各部門の部門長委員で構成する。
    開催回数: 3回(7月、8月、1月)
    ・メイクアップアドバンスプログラム開発・実証会議(エアーブラシ)
    目的   : メイクアップアドバンスプログラムの開発および実証講座の開催、
    体制   : 各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数: 2回(8月、9月)
    ・メイクアップアドバンスプログラム開発・実証会議(FXメイク)
    目的   : メイクアップアドバンスプログラムの開発および実証講座の開催、
    体制   : 各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数: 2回(10月、12月)
    ・メイクアップアドバンスプログラム開発・実証会議(死化粧)
    目的   : メイクアップアドバンスプログラムの開発および実証講座の開催、
    体制   : 各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数: 2回(9月、10月)
    ・メイクアップアドバンスプログラム開発・実証会議(達成度評価)
    目的   : メイクアップアドバンスプログラムの開発および達成度評価手法の開発。
    体制   : 各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数: 3回(10月、12月、2月)
    ・薬事プログラム開発・アンケート分析会議
    目的   : 薬事専門家によるメイクアップ用安全性チェックシートの開発。アンケート分析。
    体制   : 薬事専門の参加大学を薬事委員長とし薬事関連協力校、薬事委員会校で構成。
    開催回数: 2回(7月、11月)


      7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
    プロジェクト運営会議          
      10 10         10  
    プログラム開発・実証会議(エアーブラシ)            
        7 7          
    プログラム開発・実証会議(FXメイク)            
            4   4    
    プログラム開発・実証会議(死化粧)            
          4 4        
    プログラム開発・実証会議(達成度評価)          
            11   11   11
    薬事・アンケート会議            
      4       4      
    大阪開催会議            
     ●は会議開催(数字は出席人数(予定))       4   4    

    ② 調査等(目的、対象、規模、手法、実施方法等)
    ・実証講座の評価
     目的    : 開発したアドバンスプログラムの評価
     対象、規模: 参加者全員
     手法    : 講座後半または最終日でのアンケート用紙にて回答
     実施方法 : 集計分析は本プロジェクト委員(名古屋大学)でおこなう。

    ③ モデルカリキュラム基準、達成度評価、教材等作成(目的、規模、実施体制等)

    ・メイクアップアドバンスプログラムの開発
    目的    : 中核的専門人材のための新技術の応用のプログラム化と達成度評価方法の開発、テキストの作成
    規模    : 30時間相当の講座を想定したテキストを作成(128頁x2)
    実施方法 : 委員会校と協力校および参加委員によって内容を精査し、各専門分野を各委員が執筆

    ・メイクアップアドバンスの達成度の評価手法の検討(理論と技術修得の達成度の評価)
    目的    : 人材養成プログラムの修得・達成度の評価手法の検討
    規模    : 現行の検定に携わっている者で委員会を設置
    実施方法 : 委員により、討議検討

    ・MSDSによる安全性チェックシートの開発
    目的    : 中核的専門人材のための材料等の安全性の検討および検証方法の作成
    規模    : チェックシートによる方法論の開発。薬事的方法のメイクアップへの簡易版の作成
    実施方法 : 薬事委員会によって開発

    ・メイクアップアドバンスプログラムの評価(実証講義を通じたアンケートによるプログラム評価)
    目的    : 人材養成プログラムの評価
    規模    : 実証講義参加者全員
    実施方法 : 実証講義参加者全員へのアンケート調査
    委員によるアンケート作成と分析


    ④ 実証等(目的、対象、規模、時期、手法、実施方法等)

    ・メイクアップアドバンスプログラム(中核的専門人材養成プログラム)の実証講座の開催
    目的    : アドバンスプログラムの実証とプログラム修正のための問題点の把握。
    対象、規模: メイク教員および協力企業社員、美容師、アーティスト
    6クール開催・1クールは6日x8時間
    開催地域:東京5クール、関西地区1クール
    会場:委員会校の設備を使用
    1クールはステップアップ講義6回で構成し、毎月1回半年間に渡り行う。
    次回講義までに課題があり、自宅での練習時間を確保する。
    個人用作品ブックの提出により、理論と技術修得の度合いを評価する。
    時期    : 8月より1クールのべ6日間(1日8時間)
    東京地区では、5クールを同月並行的に開催
    (例えば同月の毎週日曜日に、ステップ1を4回開催し、翌月はスッテプ2を毎週日曜日に4回開催する。受講者は毎月4回開催される同一ステップをいすれか1回受講することとなり、受講者の都合によってステップごとに日程を調整することができる。)
    関西は短期集中講義とすることがある。
    手法    : メイクアップ関連の専門学校の教員および企業、美容師、アーティストに対し、受講募集する。
    実施方法 : 学校・企業・関係団体・現役アーティストの講師による実証講座の実施

    ・外国人招聘(日本および海外で活躍する日本人を含む)公開講座の開催
    目的    : 最新技術の実演を通じ国際レベルを認知し、また海外のバックステージ事情の聞き取りを行い参考にする。2名の予定。
    対象、規模: メイク教員および協力企業社員、美容師、アーティスト、学生
    開催地域:東京2、大阪1
    会場:学校の特別授業として行う。
    時期    : プロジェクト期間中(日程調整による)
    手法    : メイクアップ関連の専門学校の教員および企業、美容師、アーティストに対し、受講募集する。
    実施方法 : 海外で活躍するアーティストを講師として、最新技術の実演と講演。


    ⑤ 今年度までの取組成果のとりまとめ等

    ・事業成果報告書(事業の実施内容及び分析結果)の公開、関係機関への配布
    規模    : 300冊
    手法    : データのHPでの公開、関係教育機関、関係企業等300校社へ配布

    ・テキストブックの公開、関係機関への配布
    規模    : 1000冊(128頁+128頁)、テキストブックは1学校・企業当たり数冊の要望があるため3冊まで。
    手法    : データのHPでの公開、関係教育機関、関係企業、社会人等300校社へ配布

    ・ホームページ制作
    規模    : 30頁
    手法    : データのHPでの公開、テキスト、その他成果物のデジタルコンテンツ化による電子配信。


    ●事業計画書:事業成果及び事業終了後の方針

    (6)事業成果及び事業終了後の方針(成果の活用、継続性、発展性 等)

    (事業成果物)
    ①事業成果報告書(200頁)
    ②テキストブック(128頁(基礎技術編)+128頁(応用編))
    ③薬事分析報告書(100頁)
    ④薬事チェックシート(10頁)
    ⑤アンケート調査報告書(50頁)

    (成果の活用等)
    ①事業成果の周知のため、データののHPでの公開
    ②委員会校および協力校の平成26年正規課程に導入予定、社会人向け短期プログラムとして提供(特別専科36時間)
    ③商品開発、材料開発会社等への情報提供、社員教育へのプログラムの導入。
    ④本プログラムはアドバンスコースであるが、基礎的基盤コース(平成22度プログラム)はすでに十数校で導入しており、本アドバンスプロジェクトの開発は教員の技術・知識レベルを高め、基礎的基盤コースの通常の正規課程への導入を促す。(教員の多くは、新技術等の必要性を認識しているが、自らの知識不足によって、正規課程への導入をためらい、外部講師に委託する傾向にあり、教員不足をが慢性化している。教員自らが、技術修得し、知識レベルを高め、自身を以て教える環境整備をする必要がある。このような観点よりすれば、本アドバンスプロジェクトは実証講義は、開発プログラムの実証だけでなく、受講教員の新技術の修得をも含み、、アドバンスコースの導入は即座には無理であるが、基礎的基盤コースの導入の契機を与える点において、そして、段位的、ブロック的にステップアップを形成する点において特筆すべき効果がある。)
    ⑤美容コンーソシアムのキャリアフレームワークの下で、本プロジェクトの位置づけを精査し、マネジメント能力や薬事的知識を踏まえて、質的向上を図る。
    ⑥委員会校により、他の新規導入校に対し、情報提供、技術提供、機械・器具の貸出等を行い、支援する。

    (継続性、発展性)
    ①新規導入校に対し、本プロジェクトにより開発されたカリキュラムの導入への協力および助言をおこない、参加企業および委員会校が協力してバックアップする。
    ②クリエイティブなアート系の需要は東京、大阪等の大都市圏において高いが、本プログラムの応用とする、カバーメイクや死化粧等は地方においても重要が高く、地方を拠点とする展開が必要である。
    ③実需分野だけでなく、ハロウィンなどのエンターテインメントやレジャー関連からのメイクアップに対する要請も増加している。ハロウィンの経済効果はすでにバレンタインを上回り、その多くがメイクおよび服飾である。また、イベントやテーマパーク等ではフェイスペインティングが常態化し、本プログラムの次年度以降は映像舞台メイク等への拡大を行う。本プログラムでは、中核的人材養成において、ボディペインティング等のよりクリエイティブな分野を必須としている。
    ④本プロジェクトは本年度は各応用分野の基礎的な理論と技術の修得を目指すが、次年度以降は、応用分野の拡大と、より専門的知識および技術の修得を行う。
    ⑤キャリアフレームワークやキャリアップのために、基礎および上記応用分野において、それらを体系的、有機的にとらえることによって、履修のブロック化や段位制度、検定制度の構築を行い、運営組織の構築をおこなう。
    ⑥アメリカやヨーロッパなどのメイク先進国では、メイクアップの大会が多く企画されているが、日本でのメイクの大会の開催を行う。
    ⑦メイクアップ分野における制度的、法的規制は各国まちまちであるため、国際比較を通じて、グローバル人材育成のための環境整備について検討する。


    ●事業計画書:女性の学び直し」に対応した取組内容等

    (7)「女性の学び直し」に対応した取組内容等
    (事業実施体制、プログラム構成、環境配慮等、女性の学び直しに対応する取組内容等)
    ・理美容業界では男女比が1:2程度(理美容ニュース)とされ、女性が多い。美容学校の入学者の男女比では27.7%と言う調査(AIKグループ)がある。メイク分野ではより女性の比率が高い。平成23年の賃金構造基本統計調査よれば「女性理美容師は20~29歳までで半数以上を占める。30歳以上の年齢層の女性理美容師は減少するが男性理美容師ほどには急激には減らない。また40歳以上になると、超過実労働時間が増えるのは、責任ある仕事を任せられるためだろう。60歳以上の女性理美容師は一桁ながら存在する。 女性によって理美容の仕事は長く働ける仕事といえる。」と報告されている。このようなデータより、美容関連分野は女性の生涯雇用を実現する分野の一つであるが、30歳以後の就業人口の減少は、結婚、出産、育児等によるキャリア中断によるものである。そのため、復帰のために、最新技術および理論等の学習・修得が必要である。本アドバンスプログラムは、基礎技術・基礎理論をもつ有資格者にとっては、アドバンスコースとなるために、効率よく履修することが必要であるとの観点より、美容コンソーシアムのキャリアフレームワークに準じメイクアップ分野に特化したプログラム開発となる。
    ・名古屋大学男女共同参画推進委員をプロジェクト開発委員に加え、生涯教育や女性の学び直し支援のためのありかたを検討課題としてプログラム開発する。
    ・実証講座実施時は社会人(教員を含む)を対象とするため、日程調整(休日開催や同一レベルの講座開催を複数回行うので、受講日を選択できるようにする。)をできるようにし、参加しやすくする。
    ・理論および技術修得には膨大な時間を必要するが、就業時間後の練習場場所の提供や機械等の貸し出しによる自宅での練習の支援をおこなう。
    ・参加企業の会場を借り、練習場所を提供する。また、練習時には企業担当者や参加アーティストの協力を得て、練習の指導を行い、技術修得を高める。

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