文部科学省委託事業:平成27年度採択
成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進

メイクアップ分野における中核的専門人材養成のためのプログラム開発と実証
メイクアップアドバンス地方・企業版および上級講座
(メイクアップ ラボ プロジェクト)
●●●●●プロジェクト詳細●●●●●
●メイクアップ ラボ プロジェクト 詳細・事業計画書
  • ・メイクアップ アドバンス プロジェクトは文部科学省委託事業(平成27年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業)に採択されたものです。
    この事業では産学官連携によるコンソーシアムとその下で行う職域プロジェクトが行われます。
    メイクアップ ラボ プロジェクトは職域プロジェクトとして昨年度のメイクアップ アドバンスプロジェクトを引き継ぎ「 メイクアップ分野における中核的専門人材養成のためのプログラム開発と実証」を行います。
  • ●事業計画書:事業名称等

    ・文部科学省委託事業
     平成27年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業
    ・採択事業の区別:
     分野名:クリエイティブ(美容)
     プロジェクトの区別:職域プロジェクト(1)「地域版学び直し教育プログラム」の開発・実証
     「女性の学び直し」に対応:対応する
    ・採択事業名称:
     メイクアップ分野における中核的専門人材養成のためのプログラム開発と実証:
     地方・企業版および上級編(略称:メイクアップ ラボ プロジェクト)
    ・事業期間:平成27年7月31日より平成28年2月29日

    ●事業計画書:構成機関、参加校・企業・団体

    ●事業計画書:プロジェクト取組一覧概略図

    プロジェクト取組一覧概略図

    ●事業計画書:事業の目的・概要、実施体制、フローチャート、

    (1)事業の目的・概要
    ①目的・概要
    社会の高度化に伴い美容の分業化(ヘアー、メイクアップ、ネイル、エステ等)が進展し、より高度な人材養成が必要とされてきている。特に、美容師免許を必要とするヘアーとメイクアップは、制度的に膠着しているため、新理論・新技術への対応が遅れている。本プロジェクトは美容の主要分野であるメイクアップに関する新旧理論・技術の融合および新分野への対応を促進し、グローバルに通用する中核的人材養成のためのプログラム開発と実証を行う。
    ②養成する人材像
    高度なメイクアップ技術を持ったメイク分野の専門人材 コメディカル需要やカバーメイクなどにメイクアップ技術を応用できる専門人材 メイク関連の学校教育や企業で管理職として従事できる専門人材
    プロジェクト取組体性概略図
    プロジェクトフローチャート

    ●事業計画書:事業の実施意義や必要性

    (2)事業の実施意義や必要性について
    ① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義
    1.美容分野の多様化と拡大によるメイクアップ分野の現状
     広義の美容の範囲は、ヘアー、メイクアップ、ネイル、エステティック、トータルビューティ、ブライダル、着付けなどを含み、それらは専門的に分業化が進むとともに、それぞれ技術が高度化してきている。美容学校における教育は、近年これらの専門化・高度化に対応するため、美容科を除き、美容師免許を取得しない様々な専門学科が創設されてきた。ネイル、エステ、着付けなどは美容師免許がなくても施術することが認められているが、メイクアップは美容師の専属的職業範囲(美容師法2条:但しメイクアップアーティストは作品制作の一環としてメイクアップを行うため例外と解釈されている。美容部員の施術も化粧品販売の一環としてメイクするものとして例外として解されている。)とされ、美容師免許なくしては、施術することができない(この点では、国家資格としての美容師の職種の範囲はヘアーとメイクアップとなる)。しかし、現行の美容師国家試験において課されているのはヘアーに関する技術試験のみであり、メイクアップの技術試験は実施されていない。そのため、多くの美容学校では、ヘアーを中心とした教育に重点が置かれ、メイクアップに関しては一部で選択的に採用されているに過ぎない。したがって、多くの学校はヘアー中心のカリキュラムで運営され、メイクアップの技術を修得できるところは非常に少ない現状にある。
    2.美容師教育の現状とメイク教授陣の不足
     現状の日本の美容師(注:美容全般ではなく国家資格保持者としての美容師)の教育は、ヘアーに関して十分対応できているが、メイクアップに関しては全く対応できていない。昨今、新技術のひとつである、まつ毛エクステンションにおいて、健康被害が多発したことが頻繁に報道されている。まつ毛エクステンションは美容師の職種(厚労省見解)とされるが、美容学校ではほとんど教授されていないため、実社会では美容師免許を持たない海外で履修した者や独学で修得した者が施術するために、多くの健康被害が多発し、取り締まりが強化された。メイクアップに関しても同様であり、法律上、職業としてのメイクアップは美容師が担う必要がある(美容師法2条)以上、美容師教育の一環として、最先端のメイクアップ技術の導入と安心・安全の確保への対応がなされなければならない。現状では、メイク科、トータルビューティ科、ブライダル科などを修了しても、美容師免許がないため施術職に就くことができず、再度通信制などを利用して美容師免許を取得するものが多い。このように、美容師教育におけるメイクアップはその制度により膠着状態にあり、制度的な膠着を打開するために、美容師免許の取得を行ったうえで、メイクアップの履修を行う学校も増加している。アーティスト系のメイク科においても、通信制を利用した美容師免許の取得を推奨している。このように、美容師教育ではメイクアップの新技術(エアーブラシメイクアップや特殊メイク)や新理論の導入は遅れている。メイクアップの新技術や新理論は現役アーティスト等の外部講師によって担われており、慢性的な教員不足にある。
    3.メイクアップ分野の拡大と需要への対応の遅れ
     前述した背景のなかで、実社会の美容現場では、メイクアップ技術はアート系のメイクアップアーティストらによって最先端技術が導入され、メイク業界をリードし、新技術が業界や一般消費者に広まってきている。特に、ブライダルおよびカバーメイクなどでは新技術なくしては現代のニーズに見合う十分な施術を提供することができない。メイクアップアーティストレベルにおいては、単にビューティーだけでなく、作品制作おいて必要とされるアグリーメイクや簡単な造形を含むFX(特殊)メイクまでを仕事の範疇としている。このように、美容師の職業と認識されているメイクアップにおいて、実社会においては、その多くが"十分なメイクアップ技術を持っていない美容師"によってメイクアップが担当されている現状にある。
    多くの作品制作の現場では、一時期、コンプライアンスの観点より、メイクアップ担当の美容師免許の取得を条件としたが、そのため、メイクアップ技術レベルの低い美容師免許を持つものを採用せざるを得ず、研修等を必要以上に行うこととなり、その結果、企業の負担が増えた。昨今では、作品制作と割り切り、美容師免許を条件とせず、メイクアップ技術の高い者の採用に切り替えている。
    4.デジタル技術の限界とメイクアップへの回帰
     映像のデジタル技術の発展に伴い、求められるメイクアップの技法や材料も著しく変化している。特に、映像のHD(ハイデフ)化には従来のメイクアップ技術では対応できず、より繊細なメイクが要求されている。当初、デジタル技術の発展は、フィジカル(バーチャルの反対語)なメイクアップに代替し、CG(コンピュータグラフィックス)やバーチャル技法によって映像の創作や修正が簡単にできるとされたが、実際にはCGやバーチャル技法のコストパフォーマンスは高く、また、リアリティ表現の限界が露呈した。メイクアップの新技術の導入はこのような要求に対応することができ、コストパフォーマンスも良いことが証明された。最近では、ICT技術の発達が、映像を静止画より動画へ移行させ、光学技術の発達(4Kカメラなど)はよりHD化を促し、より繊細なメイクアップを要求する。そのため、ズームに映え、動きに強いメイクアップやリアリティのあるメイクアップが要求されているが、このような要請に対応するためには、最先端の新材料や新素材、新技術の導入によるメイクアップによって対応する必要がある。デジタル技術での創作・修正の限界とデジタル技術の発展による映像のHD化はメイクアップ技術の向上と伴に、メイクアップへの回帰を促し、メイクアップへの期待は高まっている。メイクアップ分野での新技術の導入と応用はデジタル技術と共に必要不可欠であり、両者が相まって、よりリアリティのあるものや高度な表現が完成する。最近の映像は"実写+CG加工"によって、よりリアリティある映像を作り出しており、コストパフォーマンスの良さも証明されている。
    5.他分野からのメイクアップへの期待
     新技術によるメイクアップの質的向上は、思いもよらない分野からの要請を受けている。特に新技術であるエアーブラシメイクは、きめの細かさや衛生上の理由により美容だけでなく、カバーメイクなどコメディカルな分野やフューネラル分野からの要請も多い。さらに、簡単なFX(特殊)メイクは、補綴やエピテーゼの装着などにも応用されている。ヘアーカラーリングや服飾と融合したボディペインティングを含むメイクアップなどが模索されている。このように、実需分野やより芸術性の高いクリエイティブ分野でのメイクアップ技術の利用が行われてきており、メイクアップ技術の体系化が望まれている。
    6、安全・安心の担保
    美容師の教育現場ではヘアー中心であり、メイク等の新技術の導入がなく、美容学校におけるメイクアップに関する授業は選択的に行われているに過ぎない。また、技術論が中心であり、安心・安全の担保のための教育プログラムは存在しない。グローバル経済の進展の中、メイクアップ材料の輸入も拡大し、外国製品の使用に対して、技術修得だけでなく、国家資格所持者としての責任において、施術者による安全・安心の担保のための薬事的評価方法の修得プログラムが必要である。アメリカではアーティストレベルにおいて、使用製品のMSDS(製品安全データシート)の理解のうえでの使用と使用に際しMSDSの所持が当然とされている。グローバルな薬事規制の趨勢は、法律による使用禁止成分を最低限とし、その他成分に関しては企業の自己責任において配合することとする方向であるため、商品の使用に際し、美容師やアーティストを問わず、施術者責任おいて安心・安全の担保をしなければグローバル化に対応することはできない。
    6.本プロジェクト実施の意義
     上記のような背景の中で、安心・安全を担保したうえで、メイクアップの新技術を使いこなし、また、教授できる中核的専門人材の養成プログラムの開発が喫緊の課題である。
    メイクアップの中核的専門人材養成に必要な新技術は美容系だけでなくアーティスト系のメイクアップとの統合よって完成するものであり、本プロジェクトの内容はこのようないろいろな分野から構成される。
    また、実社会においては、すでに新技術を必要とする需要があり、早期に対応することが必要であり、本プロジェクトで開発されたプログラムは他の分野に応用することができ、短期間の内に、即戦力となる人材をも養成する。
    美容分野を担う者の多くは女性であり、結婚、出産等でキャリアを中断するものが多い、他方メイクアップ技術の進展は早く、復帰時には新技術の使用なくしては現場に復帰できない状況にある。本プロジェクトはメイクアップのアドバンス技術・理論の体系化(26年度メイクアップ アドバンス プロジェクト)とその実践・応用(メイクアップ ラボ プロジェクト)をまとめるものであり、キャリアを中断した者は基礎的技術や基礎的理論は修得しており、本プログラムによりステップアップをしながら最先端技術・理論を修得することができ、学び直しに貢献する。
    メイクアップが美容師の専属的職種と法律的に規定されている以上、美容師免許を持つものが施術しなければならない。しかし、美容師教育ではヘアー重視のカリキュラム編成により、ほとんどメイクアップを修得することができない。特にアドバンスのカリキュラムは数校しかない。本プロジェクトは、美容師免許を持ち、メイクアップ分野に興味のある者にとって唯一の学びのプログラムとなる。また、アーティスト系の者にとっても、日本において最先端のメイクアップ技術修得の場となる。
    日本では制度的・法的規制の中でメイクアップの自由度は低い。しかし、グローバル化の進展の中では、制度的膠着の解消を待って対応すれば、グローバル経済の中で日本のメイクアップは後進国となる。本プロジェクトの目指す、安全・安心を担保した、メイクアップ技術の確立とそのプログラム化は、喫緊を要する課題である。

    ②取組が求められている状況、本事業により推進する必要性
    1.メイクアップアドバンスの教員の不足の解消と養成プログラムの必要
     メイクアップはアート系メイクアップアーティストを最先端とし、そのメイクアップ技術が一般に普及してきている。実際に映画、ドラマ、舞台などのメイクアップは新技術の使用なくしては対応できない状況にある。多くのトップアーティストはアメリカやヨーロッパで最新技術を修得している。日本では、新技術の認知さえしていない者も多い。このようにメイクアップ分野をリードする技術は日本では修得することができず、多くの人材が海外において修得している。法律上では美容師免許をもたないメイクアップアーティストはサロンで施術することができない以上、美容師がこれらのことを担う義務がある。現況の日本におけるメイクアップ技術はハンドアプライを中心とするものであり、新技術を導入しているところは十数校にすぎず、専任教師(外部講師以外)を置くところは数校に過ぎない。喫緊の中核的専門人材としての教員養成のプログラムが必要である。
    2.メイクアップ教育の実需への対応の必要:新技術の早期導入の必要
     一般のメイクアップ市場においては、すでに新技術を必要とする商品が多く販売されている。これらの商品はメイクアップアーティストらによって導入され一般化してきたものである。例えば、個人用のエアーブラシメイク機器や新型のスポンジ、まつ毛エクステンションなどである。また、他分野からのメイクアップへの要請は多く、コメディカル分野における痣消し・タトゥカバーなどのカバーメイク、エピテーゼや補綴の装着や製作などに応用するFX(特殊)メイク、福祉美容におけるヘアーカラーリング、ブライダルメイクにおけるファンタジーフェアーメイク、映像舞台でのステージメイクやアグリーメイク、フューネラルでの死化粧や遺体修復などがある。すでにこのような需要は顕在化しており、施術者不足である、このような実需へのメイクアップの対応が喫緊の課題である。
    3.安全・安心の担保の必要
     美容分野での新技術の導入は必要不可欠であるが、最も注意すべき点は、お客様への安全・安心である。本プロジェクトの対象とする美容のメイクアップ分野は、広義に捉え、ビューティだけでなく、アーティスト志向も含むものと考えているが、美容師法と現実のミスマッチによる健康被害やアングラ営業を鑑みると、安全・安心を踏まえた統合された新旧技術のプログラム化による人材養成によって早急に安全・安心が担保されなければならない。
    4.グローバル人材養成への対応の必要
     TPP交渉参加は関税だけでなく、非関税障壁の交渉問題に発展することは必至である。美容分野では薬事関連法における材料規制と美容師法における職業範囲が問題視されている。
    薬事関連法的観点からすれば、顔料や防腐剤の規制が非関税障壁となり海外製品の安全・安心を担保するが、世界標準の規制は、日本にとっては緩和方向となり、法的規制より企業の自己責任制度に重点が移るであろう。その結果、多くの海外製品の流入が安易となり、安全・安心の確保ができなくなる。海外製品を使用する際に施術側が安全・安心の確保を担う必要があり、そのための施術者の薬事的知識が要求される。
    美容師法の観点からすれば、美容師法は公衆衛生の確保を目的とするが、TPP交渉では、サービス業である美容業は、弁護士や医師、看護師のように海外の免許取得者の就業流入を迫られることが予想される。各国の美容師資格の法制度はまちまちであり、資格を必要としない国や届出制の国もある。このような中で、国際標準に照らした美容師制度の検討が国家レベルでは必要であるが、この本質は安全・安心の担保にある。本プロジェクトの目指す、安全・安心を担保した技術志向は法的枠組みを超え世界標準となる可能性が高い。具体的には、本プロジェクトの薬事検討における「MSDS(製品安全データシート)による安全性のチェックのプログラム化」は、難解な薬事的効能の評価を現業部門において簡易的に評価することができるプログラムの開発であり、グローバルの環境の中でも信頼を確保することができる。
    5.職域プロジェクトとしての必要性
     平成24年度の美容コンソーシアムで示されたキャリアフレームワークにおける、メイクのスペシャリストとしての職務レベル3相当の中核的専門人材に必要な技術・知識を補完するものであり、日本において、他にこのようなプログラムは存在しない。平成26年度では内容は実証講座を通じてテキスト化され、今後は地方での展開が必要とされる。また、より高度な中核的専門人材のために、芸術性やより専門性の高い技術・理論のプログラム化の必要がある。
    6.本プロジェクトの必要性
    本プロジェクトはメイク教員や企業担当者、最先端の現役アーティストが多く参加しているために、新技術と従来技術との早急な融合や体系化を行うことができ、早急なプログラム化を行うことができる。
    戦略的にメイクアップ分野の中核的専門人材養成を行うには、メイクアップ分野の理念の確立が必要である。メイクアップを美容におけるビューティーメイクだけでなく、実需分野やアーティストレベルの関連分野を含めたメイクアップ技術を必要とする広義の分野として捉え対応することが必要である。単なる施術技術だけでなく、公衆衛生や薬事的安全・安心の担保、さらにはメイクアップの心理作用や保健衛生までを含め、社会的に貢献する必要がある。本プロジェクトはこのようにメイクアップ分野の位置づけをし、美容コンソーシアムの下で構成されている。
    美容分野からのアドバンスレベルの構築に対する要請やコメディカルや福祉美容、フューネラル等の他分野からのメイクアップ技術の応用要請は、学際的な知識を持つメイクアップ分野の中核的専門人材によって担われなければならない。
    グローバルな人材養成においては、技術的には、ハンドアプライからエアーブラシメイクへの移行の趨勢の中で、新技術の導入のない日本からのグローバルに活躍できる人材を輩出することはできない。本プロジェクトは各国法的枠組みを超えグローバルに通じる、量的だけでなく質的に、さらに安全・安心の担保含め戦略的に中核的専門人材を養成し確保することを目的とする。

    ③取組実施にあたっての平成26年度までに実施された職域プロジェクト等の成果の活用方針、方法等
    本プロジェクトの前身は、平成22年度の「産学連携による実践型人材育成事業-専門人材の基盤的教育推進プログラム」において、「エアーブラシメイクアップの有用性の実証と方法論の確立と人材育成プログラムの開発」として採択され、育成プログラム開発・実践を行った。具体的には、エアーブラシメイクアップの周知及び評価と専門学校の教員を対象とした教授陣を育成する運用講義を行った。平成23年度も運用講義を行った。その結果、すでに十数校の専門学校が、カリキュラムとして導入している。しかしながら、まだ多くの学校が教授陣の不足を理由にカリキュラムとして導入できないでいる。実際に、多くの専門学校はメイクアップの新技術の重要性を認識しているために、最低限でも生徒へ知識普及が必要との観点より、新技術修得はできなくとも、新技術紹介や情報発信としてのデモンストレーションなどの授業は単発的に取り入れられ、メイクアップアーティストや外部講師によって行われているものは30校を超える。また、選択科目として社会人向けに開講されているものもある。
    平成22年度に開発された新技術の導入カリキュラムは基盤的教育推進プログラムであるが、基礎講座ではなくアドバンスコースとしての開講が多い。本プロジェクトのアドバンスとするものは、技術だけでなく、知識も含め、その応用分野も含むものであり、技術面でのメイクアップ分野の体系的な修得を目指すものである。したがって、中核的専門人材に必須の技術理論の体系化を目指すものである。平成26年度基本方針で示された、職域プロジェクトに照らすと、本プロジェクトでのアドバンスコースの開発・実証によって、中核的専門人材の育成を行う必要がある。 平成26年度委託のメイクアップ アドバンス プロジェクトでは、新メイクアップ技術と従来技術との融合を行い、具体的な実需に対応した応用演習を取り入れ、それらをプログラム化し、プログラムの実証のための実証講座を行った。アンケート調査や実証講座を通じたフィードバック情報を取り込み、
    メイクアップ101(エアーブラシメイクの基礎とビューティメイクへの応用)、
    メイクアップ102(カバーメイク、エアーブラシアート、死化粧、特殊メイク)
    のテキストを作成し、新規導入校に配布した。
    本テキストを導入し、平成27年度授業において一部内容を授業として開講するものは50校を超える。しかし、一部の学校においては、教授陣の不足により、開講を見合わせた学校や委員会への講師派遣を依頼するものもある。開講する学校の多くは、22年度、26年度のプロジェクトにおいて受講した者がいる学校であり、受講したものが教員として開講するものである。また、当該テキストの配布において芸術系大学からのテキストとしての請求もあった。
    他方、26年度メイクアップ アドバンス プロジェクトでは企業の参加も多く、OJT(on the job training)の活用としての本プロジェクトの導入や企業内研修としての講座の開催要請もある。
    メイクアップ産業としての自律的発展をするには、テキスト内容の実践と応用のできる教授陣や企業人として実践する担当者の育成を早急に行うことが必要である。
    メイクアップ アドバンス プロジェクトの成果の地方での展開およびさらに高度な中核的専門人材のための上級プログラム(ボディペインティング、特殊メイク造形、死体修復等)の開発が必須である。
    上記の目的達成のために本プロジェクト(メイクアップ ラボ プロジェクト)では以下のことを重点に行う。
    ・26年度メイクアップ アドバンス プログラムの地方、企業での展開
    ・メイクアップ ラボ プログラム(ボディペインティング、特殊メイクアプライアンス製作、死化粧遺体修復)の開発および実証
    ・安心安全の担保のための薬事使用規制品目の国際比較と実証
    ・テキスト電子配信、情報発信

    ●事業計画書:前年度までの取組概要・成果と本事業との継続性

    (3)前年度までの取組概要・成果と本事業との継続性

    (平成26年度事業)
    ・取組概要
    最新メイク技術や理論に加え、メイク分野における薬事安全などを教授したり、指導するために必要な知識・技術の体系化および、ビューティー分野だけでなく、高度な技術を必要とするカバーメイク、死化粧、特殊メイクを修得し、さらにコメディカル分野などに応用できる知識と技術の体系化。
    体系化された内容をもとに、実証講座の実施。
    およびテキストの作成。
    安心安全を担保できる薬事知識と評価方法の確立。
    ・事業成果
    実証講座:延べ参加人数:618人(教員または社会人:学校49校、会社等52)
    テキスト作成
    メイクアップ101(172頁・エアーブラシメイクの基礎とビューティーメイクへの応用)、
    メイクアップ102(180頁・カバーメイク、エアーブラシアート、死化粧、特殊メイク)
    以下の科目のテキストを作成
    1:エアーブラシ ベーシック(シラバス、評価マトリックス作成)
    2:エアーブラシ ビューティー メイクアップ(シラバス、評価マトリックス作成)
    3:カバーメイク(シラバス、評価マトリックス作成)
    4:エアーブラシ メイクアップ アート(シラバス、評価マトリックス作成)
    5:死化粧(シラバス、評価マトリックス作成)
    6:特殊メイク・傷メイク(シラバス、評価マトリックス作成)
    7:特殊メイク・アプライアンス装着(シラバス)
    8:特殊メイク・アプライナンス製作
    9:薬事安全評価(データベース、安全評価手法)
    体系的なアドバンスコースでなくても、メイクアップの応用として個別に導入できる。
    ①「メイクアップ アドバンス」のカリキュラムの作成(全9科目のうち7科目で2年制カリキュラムとして構成し、加えて社会人向けに1週間の集中講座モデルカリキュラムを作成)
    ②上記分野の9科目のうち7科目(8、9を除く)は本事業(26年度)で新規開発(実証講座を実施、テキスト・評価方法作成)
    ③上記分野の9科目のうち2科目(8,9)は本事業(26年度)で新規開発(テキストの作成)
    ④9は成分の分析およびデータ検索は26年度で完成しており、日本基準の適合判断はできる。しかし、より理解するには、薬事的知識が必要であり、重要成分の薬事知識等のカリキュラムは次年度以降となる。
    ・本年度事業との継続性・関連性(成果を本年度の取組にどのように活用するのか)
    ●26年度メイクアップ アドバンス プロジェクトの地方・企業展開
    本プロジェクト申請時(27年5月)でのテキスト配布申し込みは33校1394冊(生徒数)である。すべて、自律的展開(26年度受講者が行う授業と言う意味)である。しかしならが、26年度は東京集中での実証講座であったために、地方の教員で参加できないものが多くいた。そのため、本プロジェクトでは26年度メイクアップ アドバンス プロジェクトの成果を地方展開および企業展開することとなる。26年度受講の地方学校を拠点とする展開を行う。
    ●メイクアップ ラボ プログラムの推進
    26年度の実証講座ですべての内容を講義したものではない。講義において多く要望のあった内容等を取り入れメイクアップ ラボとしてより高度な中核的人材養成を目指す。
    具体的には上記テキストの一部内容を本年度の実証講座で取扱う。
    上記分野の3科目(4、8、9)は最上級コースで、芸術的感性表現を伴うので、本年度メイクアップ ラボで実践的に取扱う。特にアートやカバーメイクなどは実践的なブライダルメイクへの応用を行う。特殊メイクでは、アプライアンス製作の過程を理解し、制作を行う。また、坊主メイクを実践的に修得する。さらに、死化粧において開講要請の多かった、遺体修復について追加する。演習用ダミー製作も行う。
    ●薬事的検討について。
    平成26年のメイクアップ アドバンス プロジェクトにおいて薬事検討をおこなったが、その結果、薬事規制成分について、曖昧な運用がされていることが指摘出来た。特殊メイク材料やエアーブラシ材料は化粧品ではなく、雑品とされ、薬事規制は受けないが、安全・安心の担保のために成分チェックした。特に、タール系色素成分においては、化粧品として使用できない成分が配合された市販品を指摘出来た。アメリカ医薬品局(FDA)によるCI分類(カラーインデックス)での許可成分と日本薬事関連法における成分分類に曖昧さがあり、日本の規制成分となることが分かり、厚生労働省に指摘したものである。その結果、当該商品(本プロジェクトで使用しているものではない)は回収されることとなる。本メイクアップ ラボでは、規制成分の国際比較を通じた安全性の基準を見直す必要があるとの労働厚生省からの提言もあり、規制緩和のために必要な、グローバルに流通するが、日本の薬事規制にかかる規制物質についての安全性の検証を行う。

    ●上記平成26年度の成果をホームページで公開(webページのアドレスも掲載)。
    http://www.tva.ac.jp/airbrushPJT/
    ※平成26年度に本委託事業を採択している場合は実績報告書(収支精算書除く)を添付すること。
    実績報告書の添付あり。


    ●事業計画書:事業の成果目標

    (4)事業の成果目標

    期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)
    ○期待される活動指標(アウトプット)
    ①26年度メイクアップ アドバンス(中核的専門人材養成)プログラムの地方・企業展開
     メイクアップ アドバンス プロジェクトでの実証講座と作成テキストが有用であり、実践的であることは、受講者による開講とテキストブックの請求を見れば明白である。本年度は地方への展開を行うことによって、東京一極集中から地方分散をおこなう。本テキストの内容は地方での需要も多く、地方ではメイクアップが分業化されていないために総合的に施術できる人材がより必要となっている。また、企業側からすると、例えば、過疎化や少子化、核家族化の進行によって、冠婚葬祭においては規模縮小傾向にあり、コスト面での節約が必至であり、そのため、ビューティーメイク担当者への死化粧の依頼やブライダルメイクの依頼などが増えている。また、昨今のハロウィーンブームではアグリーメイクやゾンビメイクなどはクオリティの高いものが要求されてきている。地方においては都会と比して需要が少ないわけではなく、地方での技術をもった施術者がすくない。そのため、本プロジェクトの地方展開は有意義なものとなる。
     メイクアップ アドバンス プロジェクトの実証講座への企業からの参加者も多かった。これは、現場サイドでも本プロジェクトの取扱う内容が重視されているためである。実際、現場では、ビューティーだけでなくアグリー、特殊メイクなどの需要が多く、ある程度のクオリティで妥協されるものは、コスト削減より担当メイクの仕事とされている。企業としてOJTの一環としてあるいは企業内研修としての講座開催の要請が多数あった。そのため、本年度プロジェクトでは、現役担当者を対象とした企業内研修の一環としての展開を図ることとする。これは、人材育成側の専修学校にとって、レベルの必要度合いなどが把握でき、即戦力としての人材を送り出せることとなる。また、企業側も専修学校でのレベル内容が把握でき、リクルート活動などにも反映される。
     ・内容的には、地方開催の学校、企業開催の企業を募り、必要に応じたカリキュラムを編成(アドバンスの内容はある程度分野別にブロック化されているために、時間的制約の中ですべてを概論的に行うのではなく、分野別にブロック化されたものを集中的に行うことが望ましい)し実証講座を行う。また、学校生徒に対して、知見として教授したい学校も多く、特別講義としてのカリキュラム編成による1日授業を行う場合もある。

     1クール:6日間x8時間の予定で開催する。
    地方開催は、仙台、高知で各1クール開催する。その他ブロック化された講座を選択的に福岡、京都、名古屋等の学校が希望している。地方の需要に合わせ、科目を選択して行う。
    次回のステップアップ講義までに課題(作品制作や練習)を与え、最後に、制作作品評価を行う。十分な時間を持った課題制作等により技術的修得の度合いが高められる。
    メイク関連企業、フーネラル関連、その他団体(地方美容師協会等)のOJTや社内研修としての講座開催要請が多くあり、各々の業界の関連講座の開催を行う。講座ごとに課題の提出を課し、理解度、達成度を把握する。
    ②メイクアップ ラボ プログラムの開発および実証(実証講座の実施)
    本事業の要綱によると、中核的人材は厚みのある中間層よりなるとされ、中核的人材は多様である。そのため、本メイクアップ ラボ プロジェクトは、より高度な中核的人材育成のためにより高度な専門性を必要とする分野のプログラム化を行う。
    具体的には、ボディペインティング(アート&ブライダル)、特殊メイク(アプライアンス製作等)、死化粧遺体修復となる。これは芸術的感性や高度な専門性を必要とし、上級者向けのものであるが、本プロジェクトでは作品の芸術性等をプログラム化するものではなく、作品制作や施術をするにあたり、その技法や材料に焦点をあて、プログラム化を行うものである。中核的専門人材は芸術家として作品制作を行うのではなく、その制作過程を把握しなければならない。
    ・実証講座:中核的専門人材を担うべきメイク教員や現役美容師やアーティストを対象としたメイクアップ ラボ プログラムの実証のための集中講座を行う。
    1クール:6日間x8時間 行う。
    専門性が高いために1クールすべて受講するのではなく、ブロックごと(3ブロック:アート&ブライダル、特殊メイク、死化粧)に募集する。
    東京のみ(会場は代表校ビジュアルアーツ)
    日程配分や調整を行い、できるだけ参加しやすくする。具体的には、1クールは1ケ月ごとにステップアップ講義を行い、半年間に渡り6回行う。講義毎に課題(作品制作や練習)を与え、最後に、制作作品評価を行う。十分な時間を持った課題制作等により技術的修得の度合いが高められる。
    ・アンケート調査:実証講座受講者に対し、メイクアップ ラボ プログラムの評価のためのアンケート調査を行う。
    ・プログラムの修正:実証講義を通じたアンケートにより分析し、本プログラムの修正を行いテキスト作成にフィードバックする。
    ・テキスト作成:メイクアップ ラボ プロジェクトを分野ごとにブロック化してテキストとして体系的にまとめる。
    ③メイクアップ施術者による安全。安心の担保
    ・開発した安全性チェックシートの使用方法の修得を実証講座の中で行う。
    顔料、防腐剤、エモリエント剤、被膜形成剤等の機能の把握と調合
    ・26年度メイクアップ アドバンス プロジェクトで指摘した運用の曖昧性の精査
    FDA(アメリカ医薬品局)承認の顔料の日本薬事基準への適用のための安全性の調査。
    TPP交渉等で問題となる非関税障壁の排除とグローバルスタンダードの適用を目指す。
    特に、アメリカ、EU製品には多く含まれる日本薬事規制色素の薬事規制除外は、外国産化粧品の輸入促進となり、技術面においてもグローバルスタンダードへの対応を促進させる。
    ④達成度評価方法の検討
    ・メイクアップ分野での国家検定や技術資格はない。メイクアップ分野での検定制度は統一されておらず、美容コンソーシアムの調査(平成25年度文部科学省成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業・美容分野の専門人材の育成を支援する産学官連携コンソーシアムの組織・成果報告書137頁)によると、日本ではメイクアップ分野で16の検定団体がある。これらの検定は、その成り立ちによって固有のバイアスがあり、なかなか統一されない。メイク手順や材料など作法的な検定もある。26年度プロジェクトではメイクアップ内の分野ごとに、ルーブリック評価方法を取り入れ評価マトリックの策定を行った。本年度は、それらを体系的にまとめ、評価方法を検討し、段位制度やブロック化のためにまとめあげる。
    ・本プロジェクトでは、学校教育者側による意見調整だけでなく、実際に必要とされる技術や理論を現場サイドから見直すことを目指す。そのため、学校関係者だけでなく、企業・アーティスト団体等の参加を図り、コンセンサスを得ることを目指す。前年度に比べると、拡大会議となり、10名から15名での会議を行う。
    ⑤ホームページによる情報発信
    ・ホームページの作成。
    プロジェクトの進捗や成果をホームページより発信する。
    募集・決定などを行う。
    ・メイクアップ アドバンス プログラムの周知と導入を支援。

    ○期待される成果実績(アウトカム)
    ①メイクアップ アドバンス プロジェクトの成果の地方・企業展開
    ・昨年度は東京中心で行ったため、地方参加者希望者で、日程や交通のために都合が合わず断念したものが多くいた。地方開催の実証講座の要望も多く寄せられた。特に、地方での中核的人材レベル教授陣の不足は目立ち、既存の教師陣にとって、本プロジェクトの内容を履修できるところは地方ではないので、本プロジェクトの地方での実証講座の開催は、早急な導入を促し、地域の活性化にも資する。
    ブロック化カリキュラムにより地方特色に応じて、カリキュラム編成ができる。地方においては人員不足や生徒数が少ないために、予算的にすべての内容を講義することができない。本プロジェクトではアドバンスカリキュラムがブロックされているために、特に必要な分野を集中的に履修することによって、特色のあるカリキュラム編成が可能となる。
    企業内研修の一環としての本プログラムの実証講座の開催は、より実社会での導入を促し、プログラムの継続的な採用が見込まれる。また、本プログラムは実践的であることから、即戦力としての企業人材を育成することができる。
    実際に、平成26年度受講校のうちすでに30数校が本年度開講している実績より、地方および企業での展開は相当な影響が期待できる。
    プロジェクトとしては次年度50校での開講を目指す。
    企業展開においては、定型業務との都合がつかず、26年度は多くの方が参加を断念したが、本年度は、企業・団体タイでの講座の開催を実証的に行うことによって、組織的な導入が図られることとなる。企業所属のメイク担当者は専門学校の外部講師を兼任する方も多く、産学連携を加速できる。
    ②メイクアップ ラボ プログラム開発
    ・テキストブック:体系的にまとめたテキストブックは自校開講への手助けとなる。また、実証講座に参加できない学校・企業等に配布し、体系的な履修が可能となる。
    平成26年度メイクアップ アドバンス プロジェクトでは平成27年度の自校開講に当たり生徒数のテキスト配布を行うとしたために、自校開講を決めた学校もある。前年度プロジェクト終了時点で本年度の自校開講における生徒数は1075名、本年度プロジェクト申請時点1394名の生徒数となる(その後自校開講を決めたものや、不参加であったがテキスト配布により一部導入を決める学校があるため)。
    テキストブック:2000冊、300ヶ所に配布。1ケ所あたり複数の教員や担当者が必要とするために3冊までとする。別途、自校開講に当たり、生徒数のテキストを配布。
    ・実証講座開催:実証講座は授業運用のための講座であるため、履修後は自校での開講が容易となる。
    ・体系的にまとめられたテキストは異業種でのメイクアップ技術の拡大を促す。
    ③メイクアップ施術者による安全。安心の担保
    ・安全性チェックシートにより施術側によって安全・安心が担保され健康被害を予防できる。
    ・安全性チェックシートにより中核的専門人材に必要な薬事的知識が修得できる。
    ・本年度は規制成分の国際比較の検討を行い、労働厚生省との意見調整を行う。特に、アメリカ、EU等で承認されているタール色素の日本薬事規制への承認適用をめざし、グローバルスタンダードに適合した、流通環境の構築に資する。
    ④達成度評価方法の検討
    ・拡大会議によるコンセンサスは、今後の統一的検定制度の構築の根幹となる。
    自校検定での評価方法となり、業界の必要とする基準において生徒を評価できるために、教育の質の向上に資する。
    ⑤ホームページによる情報発信
    ホームページでの情報発信や成果の公表は、容易に情報を得ることができ、学修内容を把握することができ、メイクアップ アドバンス および メイクアップ ラボ プロジェクトの成果の周知・普及を促す。
    ⑥その他
    ・中核的専門人材に必要な理論・技術を持った即戦力の養成。企業においては、実需の顕在化の認識が高く、人材不足による機会ロスが指摘されている。本実証講座を経た企業担当者や美容師は即戦力となる。
    ・実証講座を経て、自校に持ち帰り、開講することができるため、継続的なメイクアッププログラムの実施が行われる。
    ・自校での開講・導入により生徒の作品制作の質的向上やモチベーションの向上が見られる。
    ・実証的に講座運用を行うために、新技術の必要性や異業種から要請の対応が認められ、メイクアップ分野が拡大する。
    ・安全・安心を担保した技術志向である本プログラムは、制度的規制を超え、グローバル人材に必要な理論・技術を提供し、グローバル人材を養成する。


    ●事業計画書:事業の実施内容

    (5)事業の実施内容

    ① 会議(目的、体制、開催回数等)
    ●責任者会議(責任者、運営委員長、事務責任者)
    目的:プロジェクトの運営方針決定。プロジェクトの管理、予算、執行承認、経理等の管理。ホームページの運営。
    体制:代表校責任者および事務、運営委員長で構成する。
    開催回数: 5回(7月、8月、10月、12月、2月)
    ●プロジェクト運営会議(各分野委員長会議)
    目的:プロジェクトの運営。
    メイクアップ アドバンス プログラムの地方・企業展開のための実証講座の運営・調整
    メイクアップ ラボ プログラムの開発・実証講座の運営・調整
    メイクアップ ラボ プロジェクトの各部会の進捗具合のチェック
    外国アーティスト招聘講座の運営・調整
    達成度評価手法の開発の全体調整
    テキスト編集
    体制:代表校および運営委員、各部門の部門委員長で構成する。
    開催回数:5回((7月、8月、9月、11月、1月)
    ●メイクアップ ラボ プログラム開発実証会議(ボディペインティング)
    目的:メイクアップ ラボ プログラムの開発および実証講座の開催、
    体制:各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数:3回(8月、9月、10月)
    プログラム開発、実証講座の担当者調整、内容確認、評価マトリックスの作成
    ●メイクアップ ラボ プログラム開発実証会議(特殊メイク)
    目的:メイクアップ ラボ プログラムの開発および実証講座の開催、
    体制:各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数:3回(9月、10月、11月)
    プログラム開発、実証講座の担当者調整、内容確認、評価マトリックスの作成
    ●メイクアップ ラボ プログラム開発実証会議(死化粧・遺体修復)
    目的:メイクアップ ラボ プログラムの開発および実証講座の開催、
    体制:各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数:3回(8月、10月、1月)
    プログラム開発、実証講座の担当者調整、内容確認、評価マトリックスの作成
    ●達成度評価開発・実証会議
    目的:達成度評価手法の開発。
    体制:各部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数:6回(7月、9月、10月、11月、12月、1月)
    ●薬事安全検討プログラム会議
    目的:薬事専門家によるメイクアップ用安全性チェックシートの開発。。
    体制:薬事専門の参加大学を薬事委員長とし薬事関連協力校、薬事委員で構成する。
    開催回数:3回(7月、10月、1月)
    ●アンケート制作・分析会議
    目的:アンケート分析
    体制:部門の委員会校および委員会企業および協力校・会社で構成する。
    開催回数:3回(8月、12月、1月)

      7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
    プロジェクト責任者会議      
                     
    プロジェクト運営会議(部門委員長)      
       
    プログラム開発・実証会議(ボディペインティング)          
                     
    プログラム開発・実証会議(FXメイク・アプライアンス製作)          
                     
    プログラム開発・実証会議(死化粧・遺体修復)          
                     
    プログラム開発・実証会議(達成度評価)    
                     
    薬事安全検討会議          
                     
    アンケート制作・分析会議          


    ② 調査等(目的、対象、規模、手法、実施方法等)
    ※前年度以前に調査等を実施している場合は、さらに必要な理由を含め、以前の調査等との違いを明確にして記載すること
    ●実証講座の評価・分析
     目的    : Ⅰ:開発したアドバンス プログラムの地方・企業展開での評価、
              Ⅱ:開発したメイクアップ ラボ プログラムの評価
     対象、規模: 参加者全員
     手法    : プレアンケートおよび講座終了でのアンケート用紙にて回答
     実施方法 : 集計分析は本プロジェクト委員(名古屋大学)でおこなう。
     平成26年度において上記Ⅰのアンケートを行いテキスト作成にフィードバックした。今年度はそのプロジェクトの地方版になるため、標準カリキュラムと地方版カリキュラムの違いを把握する。
    平成26年度のアンケートでは、以下のように分析された。
    調査結果等概要:カリキュラム内容には満足度は高いが、中核的人材に必要な技術修得に演習が多く必要である。より高度なレベルの知識を求めている。一部割愛した部分にも質問が多い。
     結果の反映:テキスト作成の際に、より詳細に説明することとした。一部、紹介程度の部分も詳細にテキストに取り入れた。そのため、132頁の予定は172頁および180頁に変更した。
    テキストの時間配分において、演習の時間を十分に取る必要がある。
     上記アンケートⅡについては新規内容となるために、アンケートによりプログラムの評価・分析を行う必要がある。
    ●化粧品等に係る日本薬事規制物質(特に、タール色素)の国際比較と安全性の調査
    目的    : 平成26年度では、使用材料の薬事的安全性の確保の観点より、材料の安全性の分析を行ったが、規制材料であるタール色素において、アメリカ医薬品局(FDA)、EU当局の規制と日本規制において曖昧な点があり、厚生労働省に指摘したところ、回収命令となる場合が判明した。そのため、曖昧性をなくし、評価すること、および、日本薬事規制へのアメリカFDA、EU、中国などの採用する、グローバルスタンダードへの改正のための安全性の調査をおこなう。
    対象、規模: 特に問題となった4品目について調査する。
     手法    : すでに、先進国では承認されていることが多いために実証的研究文献が多く存在するため、文献による安全性の証明を中心とする(臨床的安全性の精査はコストがかかりすぎて本プロジェクト予算ではできない。また、厚生労働省からは改訂の検討は先進国の文献証明で足りるとされた。)。
     実施方法 : 薬事委員会で調査・検討する。
    ③ モデルカリキュラム基準、達成度評価、教材等作成(目的、規模、実施体制、成果物概要等)
    ●メイクアップ アドバンスプログラムの地方・企業展開
     目的    : 26年度に制作したテキストを用い、メイクアップ アドバンス プログラムの地方・企業での展開を行う。
     規模    : ブロック化したカリキュラムを地方・企業の特色に応じて、カリキュラムを編成する。
    以下は、平成26年度作成のテキストのブロック(9の薬事は講座開設がない。)
    8科目x各15時間相当の講座を想定したテキストを作成(172頁、180頁)
    1:エアーブラシ ベーシック(シラバス、評価マトリックス作成)
    2:エアーブラシ ビューティー メイクアップ(シラバス、評価マトリックス作成)
    3:カバーメイク(シラバス、評価マトリックス作成)
    4:エアーブラシ メイクアップ アート(シラバス、評価マトリックス作成)
    5:死化粧(シラバス、評価マトリックス作成)
    6:特殊メイク・傷メイク(シラバス、評価マトリックス作成)
    7:特殊メイク・アプライアンス装着(シラバス)
    8:特殊メイク・アプライアンス製作(概論のみ)
    9:薬事安全評価(データベース、安全評価手法)
     実施方法 : 地方校および委員会校と参加委員によって内容を精査し、地方展開に合わせたカリキュラムを編成
     概要    : メイクアップ アドバンスとして、新技術としてのエアーブラシの導入とメイクアップの応用。ほとんどの美容メイク学校では、エアーブラシの導入はない。導入校においても知識としての紹介程度である。美容学校のメイク教員の知識・技術の未熟さが目立ち、まずは教員の育成が喫緊級の課題である。本実証講座を通じて、多くの教員が知識・技術に自信を持ち、既存のメイクカリキュラムのアドバンスコースとして位置づけられる。また、体系的なアドバンスコースでなくても、メイクアップの応用として個別に導入できる。
    ●メイクアップ ラボ テキストの制作
     目的    : 高度な中核的専門人材のための新技術の応用のプログラム化と達成度評価方法の開発、テキストの作成。26年度に制作したテキストでは概論程度に紹介したものを、実践的に理論・技術修得できるように編集する。
     規模    : アート&ブライダル、特殊メイク(坊主、アプライアンス製作、老人メイク等)、死化粧(メイク&遺体修復等)をメインテーマとし3科目、各15~20時間相当の講座を想定したテキストを作成(150頁)
    ●学習達成度の評価手法の検討(理論と技術修得の達成度の評価)
     目的    : 人材養成プログラムの修得・達成度の評価手法の検討
     規模    : 現行の検定に携わっている者および企業の現場担当主任クラスで委員会を設置
     実施方法 : 委員により、討議検討
     概要    :平成26年度はエアーブラシメイク、カバーメイク、エアーブラシアート、特殊メイク・傷メイクについてルーブリックによる評価マトリックスを制作した。また、体系的、ブロック的、段位制度の導入のために、既存のハンドアプライメイクについての初級、中級、上級の評価方法の検討を行った。大まかなコンセンサスは得られたものの、段位制度の構築や検定制度の構築には不十分であり、より拡大した委員会における評価のコンセンサスを得る必要があり、本年度は学校教育側だけでなく、人材を必要としている企業側の意見を取り入れる必要があるとの観点より企業人を委員に取り入れ拡大会議を行い、検定や段位制度の構築のためのコンセンサスを得る
    ●遺体修復の実習のためのダミーの製作
    目的    : メイクアップ ラボ プログラムの死化粧・遺体修復の実習で使用するダミーの制作
    規模    : アトリエで数体制作する。
    実施方法 : 死化粧および特殊メイク委員の合同によって製作する。 
    概要    : 平成26年度での死化粧の講座において、遺体の衛生処理を中心に講義したが、修復に関しての要望が多く見受けられた。皮膚等の変色の修正などは通常のダミーで実習を行うことが可能であるが、創傷によって損傷を伴う場合や、腫れ、くぼみなどのある場合の処置の実習は市販のダミーがないので、実習をすることができない。そのため、実習に必要なダミーを本プロジェクトで試験的に製作する。本プロジェクトでは特殊メイクも範疇にあるため、特殊メイク委員や特殊メイクの技術を駆使し制作することができる。

    ④ 実証等(目的、対象、規模、時期、手法、実施方法等)
    ・メイクアップアドバンスプログラム(中核的専門人材養成プログラム)の実証講座の開催
    目的    : 26年開発のアドバンスプログラムの地方・企業での実証とプログラム修正のための問題点の把握。
    対象、規模: メイク教員および協力企業社員、美容師、アーティスト
              2クール開催・1クールは6日x8時間(定員20名)
              開催地域:札幌、仙台
              ブロック毎の実証講座:14日x8時間(定員20名)
    会場:委員会校の設備を使用
              1クールはステップアップ講義6回で構成するが、地方・企業の特色に応じて一部ブロック化された内容のみになる場合がある。
              次回講義までに課題があり、自宅での練習時間を確保する。
              個人用作品ブックの提出により、理論と技術修得の度合いを評価する。
              時期    : 1クールのべ6日間(1日8時間)8月より2月まで、
                     : ブロック毎は適時開催
              また、日程の都合上、短期集中講義とすることがある。
     手法    : メイクアップ関連の専門学校の教員および企業、美容師、アーティストに対し、受講募集する。26年受講した地方の学校を拠点とする。
     実施方法 : 学校・企業・関係団体・現役アーティストの講師による実証講座の実施

    ・メイクアップ ラボ プログラム(より高度な中核的専門人材養成プログラム)の実証講座の開催
    目的    : 26年開発のアドバンスプログラムの上級の実証講座。プログラムの実証とプログラム修正のための問題点の把握。
    対象、規模: メイク教員および協力企業社員、美容師、アーティスト
    1クール開催・1クールは6日x8時間(定員20名)
    開催地域:東京
    会場:委員会校の設備を使用
    1クールはステップアップ講義6回で構成するが、受講者・企業担当者の特色に応じて一部ブロック化された内容のみ受講を可とする。
    次回講義までに課題があり、自宅での練習時間を確保する。
    個人用作品ブックの提出により、理論と技術修得の度合いを評価する。
    時期    : 8月より2月までの内に、1クールのべ6日間(1日8時間)
    手法    : メイクアップ関連の専門学校の教員および企業、美容師、アーティストに対し、受講募集する。平成26年度受講生優先となる。
    実施方法 : 学校・企業・関係団体・現役アーティストの講師による実証講座の実施

    ・練習会の実施
    目的    : 実証講座の演習時間の不足を補うために行う。
    対象、規模: 実証講座参加者
    開催地域:東京1
    時期    : プロジェクト期間中(日程調整による)
    手法    : 実証講座で周知
    実施方法 : 参加企業のスタジオで行う。
    26年練習会結果等:機械等の貸出とともに、演習を補助するものである。機械等の貸出は自宅演習を可能とし、多くの方が貸し出しを希望した(50名)。練習会は、独自では練習できない場合やわからないとこがある場合にフォローアップを目的とするものであり、ツータリング機能を重視し、スキルアップを早める。演習課題制作などに利用されるが、これは、ツータリングによる、作品の評価が必要であるためと思われる。練習会参加者による本年度自校開催が多い。これは練習会を通じて、自己のスキルアップと自信につながった結果である。

    ●事業計画書:事業成果及び事業終了後の方針

    (6)事業成果及び事業終了後の方針(成果の活用、継続性、発展性 等)

    (事業成果物)
    ※本事業により作成等される成果物について、個別に列記すること
    ※前年度までに関連の成果物がある場合は、当該成果物の関連性について具体的に明記すること
    ① メイクアップ ラボ 103テキスト 150頁 2000部
    ② 事業成果報告書 150頁(印刷版) 300部
    ③ 薬事分析報告書 200頁(電子版)
    ④ 学習達成度評価方法の検討報告書 50頁(電子版)
    ⑤ 実証講座アンケート分析報告書 50頁(電子版)
    以下の前年度成果物との関連
    ・テキスト作成について:幅広い中核的人材に対応するために、メイクアップ101~103のテキストを作成する。分野および難易度によってブロック化されているので、体系的に履修できる。平成26年度は101、102を制作、本年度は103を制作する。
    ・薬事分析関連について:平成26年度の成分分析により薬事基準の曖昧性を指摘できた。本年度はその精査による、グローバルスタンダードへの改定を目指す。
    ・学習達成度評価方法について:平成26年度はメイクアップの段位制度や検定の構築のための評価方法の検討を行ったが、さらに会議のメンバーを拡大してコンセンサスを得ることを目的とし、評価方法だけでなく、制度・組織構築のための方法論を協議する。
    (前年度事業成果物)
    ① エアーブラシメイクアップ ベーシック&ビューティ コスメティック 101 テキスト 172頁 2500部
    ② メイクアップ アドバンス 102 テキス 180頁 2500部
    ③ 薬事分析報告書 134頁(分析データ付)、印刷版 14頁、データはホームページよりダウンロード
    ④ 薬事安全チェックシート エクセルデータファイル(728成分)
    ⑤ 学修達成度評価方法の検討報告書 24頁
    ⑥ 実証講座アンケート分析報告書 50頁、印刷版 34頁
    ⑦ 成果報告書 上記③、⑤、⑥の印刷製本版 72頁 200部

    (成果の活用等)
    ① 事業成果の周知のため、データのHPでの公開・電子配信
    ② テキストの配布により、講座がやりやすくなり、生徒の理解度をあげる。そのため、実証講座受講校は生徒数分のテキストを請求している(本申請時27年5月生徒数1394)。
    ③ 流通業者を通じて不参加校やプロジェクト周知ができなかった学校等に成果物を配布し、周知する。
    ④ 委員会校および参加校の平成27年正規課程に導入予定、社会人向け短期プログラムとして提供(特別専科36時間)
    ⑤ 商品開発、材料開発会社等への情報提供、社員教育へのプログラムの導入。
    ⑥ 本プログラムはアドバンスコースであるが、基礎的基盤コース(平成22度プログラム)はすでに十数校で導入しており、本アドバンスプロジェクトの開発は教員の技術・知識レベルを高め、基礎的基盤コースの通常の正規課程への導入を促す。(教員の多くは、新技術等の必要性を認識しているが、自らの知識不足によって、正規課程への導入をためらい、外部講師に委託する傾向にあり、教員不足が慢性化している。教員自らが、技術修得し、知識レベルを高め、自身を以て教える環境整備をする必要がある。このような観点よりすれば、本アドバンスプロジェクトは実証講義は、開発プログラムの実証だけでなく、受講教員の新技術の修得をも含み、アドバンスコースの導入は即座には無理であるが、基礎的基盤コースの導入の契機を与える点において、そして、段位的、ブロック的にステップアップを形成する点において特筆すべき効果がある。)。27年度開講はすでに30校を超えている。
    ⑦ 美容コンーソシアムのキャリアフレームワークの下で、本プロジェクトの位置づけを精査し、マネジメント能力や薬事的知識を踏まえて、質的向上を図る。
    ⑧ 委員会校により、他の新規導入校に対し、情報提供、技術提供、機械・器具の貸出等を行い、支援する。
    ⑨ アドバンスおよびラボ講座では上級のデモンストレーションを取り入れているが、地方や自校における開講に対しデモンストレーションの支援を行い、アドバンス授業の支援を行う。
    ⑩ カバーメイクや死化粧等は地方においても需要が高く、地方を拠点とする展開が必要である。地方へのカリキュラム普及に対し、地方開催の講座のバックアップを行う。
    ⑪ 実需分野だけでなく、ハロウィンなどのエンターテインメントやレジャー関連からのメイクアップに対する要請も増加している。ハロウィンの経済効果はすでにバレンタインを上回り、その多くがメイクおよび服飾である。また、イベントやテーマパーク等ではフェイスペインティングが常態化している。本プログラムでは、中核的人材養成において、ボディペインティング等、よりクリエイティブな分野を必須としており、実践的に対応できる。
    ⑫ 達成度評価についてルーブリック評価を採用したが、よりメイクアップ分野での段位構築のためのコンセンサスが必要である。そのため、教員や検定に携わるものだけでなく、現役アーティストおよび関係企業に等に評価委員会を拡大し、コンセンサスを形成必要が認識された。次年度では制度運営のための組織化を目指す・
    ⑬ 薬事規制について、日米欧の違を認識し、グローバル基準への移行のための申請を行う。
    ⑭ メイクアップ分野における制度的、法的規制は各国まちまちであるため、国際比較を通じて、グローバル人材育成のための環境整備について検討し、メイクアップ分野の地位の向上を目指す。


    ●事業計画書:女性の学び直し」に対応した取組内容等

    (7)「女性の学び直し」に対応した取組内容等
    (事業実施体制、プログラム構成、環境配慮等、女性の学び直しに対応する取組内容等)
    ・理美容業界では男女比が1:2程度(理美容ニュース)とされ、女性が多い。美容学校の入学者の男女比では27.7%と言う調査(AIKグループ)がある。メイク分野ではより女性の比率が高い。平成23年の賃金構造基本統計調査よれば「女性理美容師は20~29歳までで半数以上を占める。30歳以上の年齢層の女性理美容師は減少するが男性理美容師ほどには急激には減らない。また40歳以上になると、超過実労働時間が増えるのは、責任ある仕事を任せられるためだろう。60歳以上の女性理美容師は一桁ながら存在する。 女性によって理美容の仕事は長く働ける仕事といえる。」と報告されている。このようなデータより、美容関連分野は女性の生涯雇用を実現する分野の一つであるが、30歳以後の就業人口の減少は、結婚、出産、育児等によるキャリア中断によるものである。そのため、復帰のために、最新技術および理論等の学習・修得が必要である。本アドバンスプログラムは、基礎技術・基礎理論をもつ有資格者にとっては、アドバンスコースとなるために、効率よく履修することが必要であるとの観点より、美容コンソーシアムのキャリアフレームワークに準じメイクアップ分野に特化したプログラム開発となる。
    ・名古屋大学男女共同参画推進委員をプロジェクト開発委員に加え、生涯教育や女性の学び直し支援のためのありかたを検討課題としてプログラム開発する。
    ・実証講座実施時は社会人(教員を含む)を対象とするため、日程調整(休日開催や同一レベルの講座開催を複数回行うので、受講日を選択できるようにする。)をできるようにし、参加しやすくする。
    ・理論および技術修得には膨大な時間を必要するが、就業時間後の練習場場所の提供や機械等の貸し出しによる自宅での練習の支援をおこなう。
    ・参加企業の会場を借り、練習場所を提供する。また、練習時には企業担当者や参加アーティストの協力を得て、練習の指導を行い、技術修得を高める。

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